「長久手合戦記念日」の4月9日、長久手市の色金山麓にある安昌寺で慰霊法要が営まれ、440年余の歳月を超えて、命を落とした三千人に達するとも言われる武将や名もなき兵士たちの霊を慰めました。柴田泰雄住職による読経、参列した佐藤有美長久手市長ら来賓や本会会員合わせて20人余りが焼香しました。法要は本会などが平成16年に安昌寺に近い色金山中腹に建立した「長久手合戦慰霊碑」にちなんで毎年続く行事です。
長久手合戦はわずか数時間の戦いで戦死者が三千人ともされ、戦闘の激しさが伝えられます。岩作にある安昌寺は雲山和尚が惨状を目の当たりにして心を痛め、村人たちとともに山野の屍を集めて埋葬し、首塚を築いて供養したと伝えられていて縁の深いお寺です。これまで慰霊碑前で行ってきましたが、ことしから会場は安昌寺になりました。
法要の最後に本会の𠮷村直彦会長は「先人が慰霊碑を建立し20年となりました。今年も色金山の満開の桜の下で無事執り行うことができました」とお礼の挨拶を述べました。会員の河口功さんは笙の演奏で厳かな雰囲気を醸していました。初めて参列したという女性は「長久手に住み、これも何かの縁と思って参加しました。笙の音も心に響き戦死者を慰めたのではないでしょうか」と感想を話していました。
参列者の中には慰霊碑まで足を運び参拝する人もいて古の出来事に思いをはせていました。慰霊碑の周辺は前日、本会の有志によってきれいに掃き清められました。